同じ商品でも時代によって売り方が変わる!?
良い商品であるための条件として、「時代性」に合っていることは外せないところでしょう。時代性から少しでもズレていれば売れるものも売れません。しかし、多少商品に粗があっても時代性、つまりニーズに合っていれば売れていくのだと思います。
美容業界でその象徴がパーマではないかと思うのです。
どれだけ売り方を試行錯誤し工夫を凝らしても売れないものは売れません。
何故なら、時代のニーズから完全に外れてしまっているからです。
但し、局所的にパーマは支持されています。
70代以上であれば、美容室で行うメニューといえば、圧倒的にパーマが多いはずです。
その昔(約30年前)、パーマが流行していたときには、その裏のニーズとして「髪の傷み」というものがありました。
髪の傷みを改善するメニューとして、トリートメントも同時に流行しました。
パーマとトリートメントの関係性を理解することが大切なポイントで、現在、パーマにしろトリートメントにしろ、それを単独で売ろうとしても売れるものではありません。
とはいえ、「髪の傷み」には、今だからこそニーズがあるのではないかと私は捉えています。
単純に、お客に「髪が傷んでいるようですからトリートメントした方がいいですよ」と言ったところでやるわけがありません。
これだけヘアケア商品がサロンでも一般でも販売されているわけですし、そもそもお客が自分の髪が傷んでいるとは思っていないでしょう。
以前であれば、パーマをかけたことが原因となってトリートメントを勧めることができましたが、パーマをしていない人にトリートメントを勧めてもどうでしょうか。
ヘアカラーで髪が傷むという話もありますが、ヘアカラーを美容室でやる人の多くは、トリートメントはしません。
ヘアカラーは、どちらかといえば、頭皮が染みる、被れること、つまりアレルギーが問題視されています。
しかし、現実には、街ですれ違う女性の多くが、髪が傷んでいる印象が私にはあります。
それは単純に老化現象としてのものが多いように思います。
特に最近のヘアケア商品は、髪の表面をコートするものが多いので、見た目は傷んだようには見えません。
どちらかというと、一見すると髪はキレイに見えます。
一見するとです。
髪をコートするものが剥がれてしまうと中身は、実はボロボロだったりします。
パーマをかけていなくても髪が傷むことは、普通に起こります。
当然、髪であっても肌と同様に老化します。
ですから、普段からの予防(メンテナンス)が大事だということです。
予防という観点からトリートメントすることを勧めることは、時代のニーズには合っているのだろうと思います。
老化、予防という言葉が出てくる背景には、もちろん少子高齢化があります。
2020年は、女性の2人に1人は50歳以上なのです。
まさにこれから、予防、老化のニーズがあらゆる業種で高まるということです。
パーマのニーズに支えられていた髪の傷みが、これからは、予防と老化のニーズに支えられていくのではないかと思うのです。
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