D to C という流れを可能にするもの


7月10日のエントリー「美容・化粧品業界のパーソナライズ化」の
中で化粧品最大手のロレアルグループがARの企業を買収したこと
を紹介しました。その狙いはARの技術により、スマートフォンの
画面で、自分の顔写真にロレアルの化粧品やヘアカラーを試着して
もらい、ユーザー自身で、自分に最適な商品を見つけてもらうとい
うもの。

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ロレアルのスマホアプリが提供されるようになれば、今までは試着
という概念すらなかったものがデジタルの空間で可能となります


元々が商品、サービス購入では「失敗したくない」「損をしたくな
い」という心理が働きます。

そこで大きな力をもっているのが、いわゆるレビュー機能、即ち、
口コミです。

実際に体験しないと分からないものでも口コミを利用することで、
最小限に失敗を抑えられるようになります。


化粧品、ヘアカラーといった本来は実際に試してみないと似合うか
どうかが分からないものでもテクノロジーによりそれが試す前から
判断できるようになる
というわけです。


化粧品メーカーがIT系の企業を買収する時代とはそういうことなの
でしょう。

化粧品メーカーといえども従来通りに化粧品を造って販売するだけ
では、これからの時代は生き残れない


化粧品を造って、販売したその先の展開、ロレアルでいえば化粧品
やヘアカラーを試着するといった「サービスの提供」が最大の使命
となっていく。


この時代の流れの意味するところは、「あらゆる企業がサービス業
になる
」というもの



そのような時代の流れがあるからこそ、以下の美容メーカーも動き
出しているようです。


「髪の未来予測」をしてカウンセリング

以下引用。


ミルボンは2020年10月12日、美容室市場と同社の今とこれからを語
る事業説明会をオンライン&リアルのハイブリッドで開催した。

佐藤龍二社長が同社の歴史などを簡略に紹介したあと、「髪の未来
予測」について永見恵子同社研究員(写真、ZOOMより)が説明。
同社が保有する、頭皮の状態と髪の健康に関するデータをもとに、
AIによる解析技術により、将来の髪のリスク値を算出することで、
髪改善にアプローチする、というもの。


『Smart Skin Care ® 』(ITアクセス社)という頭皮・髪チェック器を
使い、頭皮を撮影すると、髪年齢や白髪、抜け毛リスクなど髪に関
する8項目が測定できる、という。

個々の顧客の「髪の未来予測」が可能になり、パーソナライズした
カウンセリングができ、最適な使用頭髪用剤が提案できる。

次いで行われたパネルディカッションは、世代・トレンド評論家の
牛窪恵さんを迎え、佐藤社長、伊藤廉同社開発本部研究開発部基礎
研究グループ統括マネージャー(理学博士)の3人が「コロナ禍で
変わった消費者心理」「これからの美容室の価値」などのテーマで
討論(写真、ZOOMより)。

コロナ後、いっそうのデジタル化が進むなか、人と人とがリアルに
触れあう美容室は客に対し、いま以上に寄り添った対応をすること
で、「コロナ後のその先にある美容室の可能性が広がる」などと語
った。


以上引用。


これに対して私は以下のツイートをしました。




テクノロジーの使い方と活かし方が肝かと。』



サービス業の展開を考えた場合、絶対に欠かせないモノがデータ、
つまり情報です。

記事にあるように、「パーソナルデータ」にほかなりません。

収集したパーソナルデータに基づきサービスを提供する流れ。


ミルボンは、「髪の未来予測」サービスを提供したいのでしょう。

これならば、わざわざ美容室を“通す”必要もなくなります

直接、美容メーカーであるミルボンが、直接お客にアプローチする
ことも可能
です(ロレアルにしても同様かと)。


つまり、これが「D to C (Direct to Consumer)」です。


D to Cとは、メーカーが商品を小売業者に卸すのではなく、直接、
お客(消費者)に販売するという方式


現代においては、メーカーは店舗を持たずともECサイトを利用す
ることで販売が可能なのです。

ECサイトは、メーカーが独自に運営することも可能ですし、ある
いは、Amazonや楽天など、既存のECサイトから出品することもで
きます。



さて、「あらゆる企業がサービス業になる」という流れは、山本康
正さんの「次のテクノロジーで世界はどう変わるのか」で解説され
ています。以下に、その一部分を引用してみました。



以下引用。


あらゆる企業がサービス業になる


自動車メーカーは、自動車を製造・販売して終わりではなく、車を
販売した顧客に対する快適な「モビリティサービス」の提供が最大
の使命となる。

モビリティサービスは自動車を人や物の移動のための手段ととらえ、
移動の過程を円滑かつ快適にするためのサービスを意味する。荷物
を運搬するロジスティックス企業の場合は、単に物を運んで終わり
ではなく、物を運ぶことによってどのようなモビリティサービスを
提供できるかが問われる。

その結果、どのような側面で人間にサービスを提供するかによって、
業種という枠が規定されていくようになるはずだ。

その業種はモビリティサービスをはじめ、エンターテインメントサ
ービス、コンテンツサービス、メディカルサービス、ヘルスケアサ
ービス、ホスピタリティサービスなど、これまでの業種とは性質を
異にする。

こうしたサービスを提供できない企業は、長く生き残っていけない。

ということは、すべての企業はテクノロジーを駆使したうえで、サ
ービス業になると考えられる。


以上引用。



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