高齢者にとっての美容室を再定義する
私の会社は美容メーカーでありまして、美容室専売品を謳っている以上は、美容室の心に響くような商品とサービスを提供しなければなりません。しかしながら、人口が右肩上がりに増加した時代とは異なり、美容室に来店するお客、つまり、今後はその多くが高齢者となり、高齢者の心に響く商品とサービスを考えなければなりません。
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人口が増加する時代には、マーケットの中心など改めて考える必要もなかったのかもしれませんが、人口減少時代に突入した日本で商売するには、マーケットの中心が今後、高齢者になることを改めて見直す必要があると思うのです。
たとえば、人は高齢になると買い物の行動スタイルはどう変わるのでしょうか?
小売業など顧客とじかに接する業態の場合、店舗の居心地の良さや入りやすさが重要となります。
高齢社会において居心地の良い店舗の参考になりそうなのが、三越や伊勢丹、高島屋、大丸、松坂屋のような老舗百貨店の「接客」と言われています。
伝統的に中高年に人気を博してきた秘訣は、その暖簾もさることながら、教育が行き届いた店員の丁寧さや親切さによるもの。
私もそうですが、日本人は店員からの声かけを嫌う人が多いとされています。
しかし、品定めに迷っているお客を見抜き、そして絶妙のタイミングで声をかけ、用途や要望をしっかりと聞く。
決めきれずにいるならば、「お客様はこちらの商品がよろしいかと思いますよ」と一押ししたりもする。
これらの老舗百貨店の接客は、個別のニーズに対し、具体的な解決策(買い物)をはっきり示すというサービス形態とも捉えられます。
さて、店舗の居心地の良さは、店舗の入りやすさとも密接に関係します。
そうした意味では「店構え」もポイントとして挙げられます。
美容室に滞在している時間をリラックスするための時間として活用する人も多く存在します。
美容室は、これまでも居心地の良さをセールスポイントにする業種でもありました。
しかし、美容業界が高齢社会への対応で他の業種に先んじているかといえば、そうでもありません。
最近の美容室を見ると、経営者のこだわりを感じさせるファッション性豊かな外観の店舗が目立ちます。
中には美容室だと気づかないほど凝った店構えのところもある。
ついでといっては何ですが、こういった傾向は飲食店でも同じではないかと個人的には思う次第です。
きっと若い客層をターゲットにしているのでしょう。
しかし、あまりにも凝った店構えとなると高齢者にとっては敷居が高くなるのは当然です。
更に言わせてもらうと、ハイセンスを謳っているかどかは分かりませんが、そのようなお店には“年齢に関係なく”実に入りにくい。
以下は個人的な意見ですから何の根拠もないのですが・・・
多くの人は、自分のことをそこまでオシャレだとは思っていないのではないかと思うのです。
美容室がオシャレを提供する場所であることは理解できます。
しかし、身だしなみを整えるために行く美容室に、わざわざ更に身だしなみを整えてオシャレをしてい行く必要がありそうな美容室には、若者にしても高齢者にしても“最初から”避けて通るような気がします。
ましてや、自分が希望するヘアースタイルへの注文に応えてくれるかどうかなどと考えてしまい、入る前にしり込みをしてしまいます。
これでは、今後増える高齢客を取り込むことは難しいでしょう。
もちろん、色々な店構えの美容室が存在すること自体を否定するつもりは毛頭ないのですが、若い世代が激減していくことを考えると、なるべくなら幅を持たせたほうが有利であることは間違いありません。
美容室オーナーならば、今一度、店構え、店舗の居心地の良さ、店舗への入りやすさを、コロナ禍を切っ掛けに見直してみてはいかがでしょうか?
人は誰しもキレイになりたいものです。
そして、オシャレをすることは精神衛生上においても有効な手段であることは間違いありません。
高齢社会において美容室が単に身だしなみを整える場所であるだけでなく、高齢者にとって「精神的にも若返る場所」が美容室である、と再定義することが出来れば面白い展開が望めそうです。
そして、「精神的にも若返る場所」となるためには、オシャレをした高齢者がそれを披露できる「場所(舞台)」が必須となります。
そのどちらの場所を両方つくることが出来れば、美容室が「高齢者の輝くを取り戻す場所」としての役割も果たせるようになり、美容室自体の付加価値も大きく高まるのではないでしょうか。
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