美容室は成長期から成熟期へ
コロナ禍によって新しい生活様式が取り入れられ最初こそ戸惑いましたが、不思議なもので慣れの問題なのかどうかは分かりませんが、面倒くささはあるもののとくに不自由なく暮らしています(私だけかもしれませんが)。今にして思えばコロナ以前は、日常生活を送るにあたって、目立った「不満・不便・不安」を感じることはありませんでした。
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もちろん、細かいことを言えばキリがありませが。
商売は「問題の発見」と「問題の解決」が組み合わされることによって初めて成立します。
美容室は、全国で25万軒以上存在します。
所謂オーバーストア状態であり、美容室の成長期はとっくに終わっていて、よく言えば成熟期を迎えているのだと思います。
増加傾向にある美容室ですが、新たに美容師の資格を取得する数は年々減少傾向であり、いつかは美容室も減少に転じるのだと思います。
減少に転じるのがいつのタイミングかはよくわかりませんが、先程成熟期とは書いたものの悪く言えば、コロナも相まって淘汰が始まるのかもしれません。
美容室の定義をどこにもってくるかはそれぞれでしょうが、シンプルに「美容」を販売する空間であり、つまりは、「髪をキレイにする」ことこそが本来の“あるべき姿”なのかなと私は思います。
そして、美容室の売るべきモノは、「ヘアースタイル」だということ。
ヘアースタイルを売るために、カットしたり、カラーしたり、パーマをかけたり、トリートメントをしたりする。
それがいつの間にか、目的と手段の逆転現象が起きてしまい、手段であるカットなどが単品で販売されるようになっているのが今の美容室の現状です。
単品で売ってしまっている以上は、単価アップが見込めるはずもなく、カット専門店、ヘアカラー専門店に代表されるように技術の安売りが登場することになりました。
これは、今にして思えば自然な流れだったのかもしれません。
25万軒も存在する美容室ですから差別化・付加価値をどこでつけるかという問題自体もどこかナンセンスのような感じです。
技術自体に差別化・付加価値をつけようとしても25万軒もあるわけですから、もやは意味がありません。
技術の質の向上を目指すことも大切なことですが、技術自体に価値がコモディティ化してしまっているのですから、目指すべきはそこではないはずです。
しかも安売り店がよく言われていたことに、「安かろう悪かろう」はもはや昔の話で、技術にも美容材料にも殆ど差がありません。
つまり、美容師が思っている以上に利用する側は、美容の技術自体には、目立った「不満・不便・不安」を感じることはないということです。
それよりも、日本は、少子高齢化・長寿命化なわけですから、美容に対するニーズの変化を捉えなければなりません。
つまり、若返り(老化防止)、リラクゼーション、メンテナンスといったものです。
ヘアカラーでいうところの白髪染めなどはそれの最たるものでしょう。
美容ディーラー、メーカーの営業マンならよくわかるのですが、美容材料は美容師が好むものがよく売れます。
当たり前といえば当たり前なのですが、美容室を利用する側のニーズを満たすことよりも美容師のニーズを満たしたものがヒット商品となるのです。
まあ、最近で言えば以下のような記事を読んで、美容業界は相変わらずだなぁと思ったものです。
「ファイバープレックス」ヒットの裏側 ~SNS×美容師でサロンとともにブームを生み出す~
この記事に対して私は以下のツイートをしました。
髪を傷めては見た目を治して、そして、傷めて、また見た目を治して、の繰り返し。#美容室
— arusara (@arusara_jp) December 17, 2020
「ファイバープレックス」ヒットの裏側 ~SNS×美容師でサロンとともにブームを生み出す~ https://t.co/MHZA7TKb6Z
最初に戻るのですが、商売は「問題の発見」と「問題の解決」の組み合わせです。
美容室の本来あるべき姿は、「髪をキレイにする」が問題ならばそれを解決しなければなりません。
記事にあるのは、私が指摘した美容の技術の問題を解決にしているに過ぎません。
そこはもはや時代遅れもいいところです。
根本的な問題は、美容室の店舗数に反比例して美容室全体の総売上が減少していることではないでしょうか。
そこを美容師向け、美容室向けのような商品で誤魔化しが通用していたのは、美容室が成長期だった頃の話で、しかも人口増加のときです。
今は、人口減少・美容室が成熟期(淘汰)を迎えている。
ならば、マーケットと真剣に向き合い、ニーズを探り、ニーズを掴む努力をしなければなりません。
良いモノ・サービスが当然となった今、美容室を利用する側がさらに評価してくれる新たな付加価値を探し、そして掴む努力をしなければ美容室が本当の意味での成熟を迎えることはないように思います。
「コミュニティとは?コミュニティの作り方とは?」
「モノが売れない時代はコミュニティでモノを売る?」
「まだ誰も知らないファンコミュニティの作り方」
こんな疑問を持たれたならば以下の三冊は必読です!超絶に面白い本でした。
佐渡島庸平「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 」
前田裕二「人生の勝算」
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