2019年の美容室1従業者当りの売上高
2000年代に入って美容業界では、以前からあったものの低料金の店が目立つようになりました。技術料金が安くなるので、一人当たりの技術者の売り上げは相対的に下がることになります。当然、スタッフの給料が増えることはありません。美容業界全体で流行する技術の安売り。一ヶ所が安売りで儲けることができても、それはミクロの話。
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全体としてマクロでみるとと現状の美容業界は?
美容室の軒数の増加に反比例して、全体の売上が減少傾向。
安売りをする美容室が増えれば増えるほど、美容室に落とされるお金が減っていく。
となると、美容業界に携わる人間に入る所得も減る・・・
まさに悪循環。
売上高 理容業1035万円、美容業1847万円
以下引用。
令和元年 経済センサス基礎調査
2020年12月25日に発表された令和元年(2019年)経済センサス基礎調査によると、会社経営は理容業で22%、美容業で30%あり、売上高では多くを占める個人経営を大きく引き離しているのがわかった。
個人経営では1従業者当りの売上高は理容業272万円、美容業359万円と低い。会社経営では理容業492万円、美容業584万円に増え、会社経営店が経営努力をしているのがうかがえる。とはいっても他業と比べると見劣りし、理美容業の生産性は低く、その結果、賃金も低い(賃金構造基本統計)。
1事業所当りの従業者数は理容業2.71人、美容業3.73人で、両業で差がある。経営主体別で見ると理容業は個人経営1.80人、会社経営5.82人、美容業は個人経営1.95人、会社経営7.83人になる。
会社経営は美容業のほうが多く、しかも従業者数も多い。売上高の差は経営規模の差に由来しているようだ。
従業者の男女比は、理容業は男性:女性=60:40、美容業は34:66になる。この比率は近年大きな変動はない。経営主体別でみると、会社経営は理容業は男性:女性=56:44、美容業は33:67になり、わずかながら女性従業者が増える。
以上引用。
この記事に対して私は以下のツイートをしました。
2019年の数字だから2020年は、これより厳しいものになるでしょう。あくまでも平均値だろうけど、かなり差はありそう。#美容室
— arusara (@arusara_jp) January 3, 2021
売上高 理容業1035万円、美容業1847万円https://t.co/OMqkGJYOCa
1従業者当りの売上高
個人経営 美容業年間359万円 月単位約29万円
会社経営 美容業年間584万円 月単位約48万円
20万円程の差がありますが、個人経営は、それこそ申告で「融通が利く」ので自分の懐に入るお金は上記の売上とは必ずしも比例はしていないでしょう。
あくまでも平均値でしょうから、これだけで全体を語るのは適切ではないとは思うのですが、個人的には、現実味のある数字だと思っています。
美容の技術は、人がやるものであって機械のように大量生産できるものではありません。
美容の技術は、テクノロジーの進歩があろうとどこまでも人がやるものだと思っています。
機械に代替されない仕事ですが、出来る人間が溢れている。
言ってしまえば、誰にでも出来る仕事なのです(資格があるとはそういう意味)。
技術自体にとくに差もなく単価が上がることはこれからもないでしょう。
技術だけに固執する美容室経営は、とっくに行き詰っていると言えます。
技術をウリにするのではなく、安売りをウリにするのでもなく、お店をいかにアピールできるかだと思います。
つまり、「わざわざ行く価値のある店舗」にする努力が求められています。
努力するポイントが美容室経営でもとっくに変わってきているので、ポイントがズレて伸びるほど甘くはありません。
紹介記事は、2019年のデータですから、コロナが襲ってきた昨年のデータが発表されるときっと悲惨な事になっているのでしょうね。
明日にも首都圏の1都3県に「緊急事態宣言」が再び出されるようですし、年明け早々から試練です。
首都圏の1都3県だけの話で済むはずもなく、結局は、「国民経済は繋がっている」わけですから、様々な業界で働く人間が打撃を受けることになります。
現実ほど無残なものもありません・・・
中野剛志
目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
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