正直者が馬鹿を見るのか?


新型コロナウイルス感染症対策の特措法改定が進んでいます。改正案は、今月3日にも成立する見通し。改定案では、感染者については、入院を拒否した患者に50万円以下の過料。保健所調査への虚偽申告、拒否に30万円以下の過料。事業者については、緊急事態宣言下で時短命令に応じない事業者に30万円以下の過料。蔓延防止等重点措置下で時短命令に応じない事業者に20万円以下の過料。と、なりそうです。(参)『特措法など改正案修正協議 刑事罰削除で正式合意 自民・立民

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流石に、入院を拒否した患者に対する「懲役刑」「刑事罰」は削除されるようです。

とは言え、いずれにせよ感染者や事業者に十分な所得補償や休業補償をすることなく、“過料”を設定するわけですね。


そんな中にあって下記は、当然の対応だと思うのですが、過料なんて言葉を聞いてしまえば“救い”のような気すら起きてしまいます。


コロナ禍で雇用悪化懸念 特例措置延長などで雇用の維持を 政府


新型コロナウイルスの影響の長期化によって雇用情勢の悪化が懸念されることから、政府は、雇用調整助成金の特例措置を延長するほか、人手不足の業種への労働者の移動を支援するなど、雇用の維持を図ることにしています。

厚生労働省が発表した去年1年間の平均の有効求人倍率は1.18倍で、前の年を0.42ポイント下回り、オイルショックの影響で、年間で0.59ポイント低下した1975年以来の大幅な減少となりました。

新型コロナウイルスの影響が企業の求人意欲にも及び、田村厚生労働大臣は今後の雇用情勢について「緊急事態宣言も出ているので、さらに厳しくなることが予想される」と述べています。

こうした中、政府は、企業が雇用を維持するための雇用調整助成金の上限額を1万5000円に引き上げる特例措置と、企業から休業手当が支払われない中小企業で働く人に賃金の8割を支給する休業支援金について、いずれも来月末までとしていた期限を緊急事態宣言が解除された月の翌月末まで延長することにしています。

また、試行的な雇用に対する助成金制度の活用も促し、宿泊業や飲食業など雇用環境が悪化している業種から、人手が不足している業種への労働者の移動を支援するなど、雇用の維持を図ることにしています。


以上引用。



この手の話になると必ず登場するコメントとして自己責任論があります

例えば、「助成金を悪用する企業があるのでは」「平時でも生き残れない弱い企業が生き延びてしまうのでは」「バラマキなのでは(最後は税金で国民が負担するから)」といった類のもの。


東京都では、緊急事態宣言時に時短要請に応じた店舗などに1日6万円の協力金を支援しいます。

一日6万円、30日180万円の協力金を「ビジネス化」した飲食店経営者もいるかもしれません。

更に、元々、全く利益が出ていなかった店舗を閉めて、何もしないで180万円。

そして、実際には営業しない店舗を新たに届け出て、協力金をだまし取っている悪質な人も、いるかもしれません。


確かに、許される行為ではありません


しかも、企業の助成金にしても飲食店の協力金にしても、上記のような事例だけをクローズアップして、それがまるで全ての事例のように報じられれば、一斉に「助成金も協力金も止めてしまえ」という論調となるでしょう


でも、それでいいですかね?


もちろん、悪質な行為や行動は許されませんが、何もかもを自己責任で済ませてしまっては、助かる人すら助からないのではないでしょうか。


先日、この国のトップが「生活保護」発言があり話題を集めていました。


ところで、生活保護の「捕捉率」についてご存知でしょうか。

補足率とは、「生活保護基準を下回る経済状況にある世帯が、実際に生活保護を受給している割合」のことです


他国と比べても仕方がないことですが、そこは敢えて比べさせてもらうと、捕捉率は、イギリスが87%、ドイツで85%。八割以上の貧困層は、生活保護を受けているといいます。

それに対し、日本は、まさかの22%(2018年)です


この数字からは流石に、生活保護を受けるはずの方々が受けているとは到底思えません。

自己責任を振りかざすのは、それこそ個人の勝手ですが、個人ではない国のトップが口にする言葉ではないはず、というか許されるのでしょうかね。


とにもかくにも今は、コロナ禍という非常時なのです。

平時でも悪質な事を考える輩はいるのですから、それが非常時ともなればいないわけがありません。

それでも、分け隔てなく全ての日本人が救われるようにしなければならないと思いますし、自己責任論が猛威を振るえばコロナ禍が収束することもないのかと思う次第な私です


「正直者が馬鹿を見る」が最低でもコロナ禍ではないようにしたくありませんか?





中野剛志
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