昔はパーマで今はヘアカラーで同じことが繰り返されている
今では、白髪染めを含めて多くの女性がヘアカラーをするようになりました。最近目立つのが、若者のグレイヘア。個人的には、物凄い色になってんなぁと感心しているものの、同時に髪にとってはダメージありまくりだろうと、なんとも言えない感じになっています。ある意味ではそんなオシャレ意識のある若者に支えられているのも美容室だということです。
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当たり前ですが、美容室それぞれで客層が異なります。
大体が美容室オーナーとスタッフの年齢層の前後プラスマイナス10歳の方々が来店しているのではないかと勝手に想像しています。
私が付き合う美容室オーナーは、40代から50代が中心なので、20代の所謂若者が来店する割合はそう高くはありません。
ですから私自身、若者のニーズに疎くなりがちです。
なので意識的に年齢層の異なるはずの美容室と接触しようとしなければ益々疎くなってしまいます。
冒頭にも書きましたが、若者の髪の色が今とにかく凄い。
50歳を目前に控える私からすると理解不能の髪色なのですが、それがまさに若者にはニーズがあるものなのです。
30年以上前であればグレイヘアではなくソバージュがそれに当たるものだったはずです。更に遡れば、大仏グリグリパーマもそれに当たります。
70代後半から80代の女性で美容室に来店する方は、未だにパーマをかけ続けています(パーマをかけるではなく”あてる”かな)。
ソバージュが下火となりカットアンドブローの時代に入り、同時にストレートパーマが流行。
現代では、ストレートも下火となりヘアカラーが主流となり、若者を中心にグレイヘア、ダブルカラーが流行中といったところでしょうか。
ただ以上のような変遷は流行の形こそ変わっているのですが、中身が変わっていません。
つまり、髪が傷むということ。
ソバージュが流行するようになってから同時に髪を労わる補修するという意味でのトリートメントが流行しました。
今ではトリートメントは、美容室での定番のメニューとも言えます。
余談ですが、ヘッドスパとトリートメントの違いを上手く打ち出すというか表現することが出来ていない美容室が多いように思います。
話を元に戻すと、昔はパーマで傷んだ髪だったのが、今はヘアカラーで傷んだ髪に変わっただけなのです。
そして、今度は傷んだ髪の毛を補修するという流れになるわけで。
そうなると以下のような商品が今後も連発されるでしょう。
オージュア リペアリティ ブリーチ損傷毛をケア
ブリーチカラーで傷んだ髪をカバーする、新しい知見に着目したヘアケアシリーズが登場する。ミルボンが2021年2月10日発売する「REPAIRLITY」(リペアリティ)。発売を前に2月2日、オンラインで発表会が行われた
新製品は、最新のタンパク質科学の視点から、ブリーチによって抜け落ちたタンパク質と、残ったタンパク質の両方をケアし、また健康毛に必要な結合水をケアすることで、柔軟性のある健康毛に回復する、という。そのために同社が厳選したニーム葉エキスを配合した。
開発の背景には近年のブリーチによるインナーカラーやハイライトなどの施術が増え、その結果、毛髪のスカスカ感や、ゴワゴワ感の髪に悩む女性が増えていることがある。新製品でケアすることで、潤いのある健康毛に修復できる、という。(後略)
以上引用。
この記事に対して私は以下のツイートをしました。
昔はパーマで傷んだ髪の毛のケア、今はカラーで傷んだ髪の毛のケア。本質的には何も変わっていないのかな。美容室にウケが良い商品は傷まないモノ。そんなものがあるはずないのに。#美容室
— arusara (@arusara_jp) February 3, 2021
オージュア リペアリティ ブリーチ損傷毛をケアhttps://t.co/9P6M2OwvRD
『昔はパーマで傷んだ髪の毛のケア、今はカラーで傷んだ髪の毛のケア。本質的には何も変わっていないのかな。美容室にウケが良い商品は傷まないモノ。そんなものがあるはずないのに。』
パーマにしてもヘアカラーにしても化学薬品を使用するので度合いこそ違いますが、必ず髪は傷みます。
美容室のセールストークとして聞いたことがある人もいるかもしれませんが、「最近のお薬(パーマ液、カラー剤)は進化していて髪が傷まなくなっています」というもの。
細かい話は避けますが、パーマ液にもカラー剤にも見た目には傷んでいないように見せるものが含まれているというのが実のところです(なので本当は傷みます)。
というわけで化学薬品を繰り返し使用すれば髪は傷むので、ストレートパーマにしてもグレイヘア、ダブルカラーにしてもやればやるほど傷んでしまうのです。
まあ、ということで紹介記事のような髪の毛をケアするような商品となるのでしょうが、このようなことを長年美容業界は繰り返しています。
また、そのケアというのも見た目をケアするだけで髪の毛の内部からキレイになっているものは多くはありません。
数年前であれば、単なる髪の補修・修復といった感じだったのですが、美容室の最近のトレンドを見ていて思うのが、外科的というか整形的に髪の毛をキレイにすることが主流のような気がします。
パーマもヘアカラーも化学薬品を使用するので傷むということ。
なので、私が思う美容室の本来の姿は、傷まない化学薬品を追求するよりも極力傷ませないようにする技術を提供することだと思います。
だからこそ、傷ませない技術に差別化・付加価値が生まれるのだろうと思うのですが。
仮に傷まない化学薬品が誕生すると美容室の必要性はどこにあるのでしょうか?
ここを考えていけば、自ずと美容室の取り組むべき課題は見えてくるはずです。
伊藤穣一「教養としてのテクノロジー」
池内了「科学は、どこまで進化しているか」
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