技術を提供している美容師との繋がり
アポを取らずに美容室に営業で訪問すると大体は、仕事中(技術中)なので話せないことが多いのですが、技術の種類によっては少しだけ話せる場合もあったりします。それはパーマ。もちろんヘアカラーにも放置タイムがありますが、パーマではワインディング後、パーマの1液をかけて、その後2液をかけます。パーマ液を塗布してしばらく放置しなければならないのでその間意外に長く話すことができたりします。
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今ではヘアカラーの放置タイムで少し話す感じですが、パーマの放置タイムで話す機会はめっきり減ってしまいました。
当たり前です。これだけパーマのニーズが減少してしまっているわけですから。
但し、この話は全ての美容室に共通するものかと言えばそうとも言い切れません。
やはり、美容室のオーナーの年齢もありますし、何といっても来店する客層に左右されます。
70代後半の方々が主に来店する美容室、というよりもこの場合は、美容院と言った方がいいでしょうね。この場合、お店に入っただけでも美容院独特のあのニオイ、つまりパーマ液のニオイがします。
今の10代から20代にかけては、知らないニオイかもしれませんね。
しかも、その年代の親世代ですらパーマをかけていませんから。
とまあ、1990年代より、ストレートパーマが今でもありますが、パーマのニーズは減少していきました。
「パーマのニーズが減少している」と言われて久しいのですが、未だにパーマと同等かそれ以上の単価の取れるようなサービスは出てきていません。
一言で言えば、「時代背景が違う」ということなのでしょう。
時代で何が違ってきているのか?
美容に対するニーズそのものは時代の変化に左右されず、いや、むしろ日本においては少子高齢社会ですから、高齢者予備軍のそのまた予備軍が大勢いますし、ましてやSNSの流行による可視化社会ですし、露出頻度が以前と比べても比較にならないと私は思います。
SNSに限らず、テレビをはじめとする動画再生における解像度が上がっています。
テレビでもYouTubeでも各種ネット配信サービスでも、4K、8K、4G、5Gによって、良くも悪くもキレイに映ってしまいます。
他方で、画一的なサービスが刺さらなくなっているのも事実です。
つまり、今の若い子からすると美容室に来店して最低限のことをやってもらい、後は自分でカスタマイズするのではないでしょうか。
美容室の技術がもはや美容室だけのものではなくなってきていて、やろうと思えば国家資格を取得せずとも器用な人は、何でも出来てしまいます。
だから、高齢者とは感覚が違っており、高齢者は自分では全く何もしないというのではなく、美容院に来店することに価値があったりするわけです。
世代によって美容室・美容院に対する価値の置き方が違うので、それを考えると、来店するその人にスポットを当てていくしかないのだろうと思います。
今風に言えば、「パーソナライズ」でしょうか。
だからこそ、美容室で売るべきは、「ヘアスタイル」なのです。
カット、パーマ、ヘアカラー、トリートメント、ヘッドスパというように技術メニューは豊富です。
しかし、この技術メニューの目的は、「ヘアスタイル」をつくるためのものなのです。
技術メニュー自体、サービス自体でヒットすれば、それはそれでいい事なのでしょうが、サービス自体がヒットした場合、お客からすればサービス自体が目的ですから、どの店舗でやってもらっても構わないわけで、そうなると当然、価格競争になってしまいます。
以前、ある美容室オーナーが、お客から「依頼されたサービスを他店ではやっているから、こちらでもやって欲しい」とお願いされたそうです。
オーナーは、「申し訳ないけど、そのサービスをやりたいなら、よそでやってね」と伝えたら、「よそでならやらないです、だってこのお店でないと意味がないから」とお客から言われたそうで、そのサービス提供を考えだしたそうです。
私は、このやり取りが全てを表していて、やはり、お客はお店につくのですが、技術を提供している美容師との繋がり(関係性)を大切にしているわけです。
カットをやってもらう、のではなく、”誰々に”カットをやってもらう、という繋がり(関係性)、とでも言えばいいのでしょうか。
とは言え、サービス自体の開発はもちろん大切です、というか必須でしょう。
つまり、サービスを提供する人の存在まで考える必要があると思うのです。
以下は、最近の理美容業界の動向を適切に捉えた記事でしたので紹介します。
上記の私が書いたものは、この記事を読んでの私なりの感想というか考察です。そして、私のツイートの補足でもあります。
他の理美容代に次代の主力サービスがある
(前略)
基礎的支出品目、つまり必需品に近い理髪料とカット代は消費者の利用率が高く、9割ほどの人が年に1回以上、利用しています。パーマネント代と他の理美容代の利用率は1割から2割程度の人しか利用していません。
理髪料とカット代は必需的なサービスとして利用率が高く安定しています。コロナ禍でも理美容店が4月の落ち込みを持ち直せた原動力となったのが理髪料とカット代といえます。
他の理美容代に含まれるエステティックやネイルなどは理美容店に比べると回復が遅れています。他の理美容代にはヘアカラーが含まれ、コロナ禍でセルフですませた人もいましたが、白髪染めなどは持ち直してきているようです。
基礎的支出に近い理髪料とカット代は安定している一方、すでに飽和状態に近い市場になっており、価格面での競争が起きています。カット専門店やカット&ヘアカラー専門店などのリーズナブルな料金設定のサロンを利用する消費者が増えていますし、これからも増える可能性が高い。飽和状態にある理髪料とカット代の市場はよくて現状維持、おそらく縮小していくでしょう。
パーマネント代は昭和の時代は基礎的支出に近かったのですが、徐々に選択的品目へと移行しているのは、家計調査の結果からわかります。頂点は四半世紀前に過ぎ、以降、縮小を続けています。社会の変化、価値観の変化が遠因にありますが、とくに髪の美に対する消費者の価値観が変わってきているからだと思われます。
選択的品目としての性格が強い、パーマネント代と他の理美容代は安定性には欠ける反面、成長する可能性は高い市場ともいえます。他の理美容代の中には、エステティック、ネイル、ヘアカラーなどのほかに、マツエク、ヘッドスパ、理容師の行うエステシャービングなど、理髪料、パーマネント代、カット代ではない広範囲な美容サービスが含まれます。
事実、他の理美容代は近年急速に伸長しています。他の理美容代は選択的支出、つまり嗜好性の強い、高付加価値サービスといえます。料金面でも比較的高額に設定できます。またパーマネントにしても衰退傾向にありますが、いま中心客層である70歳代以上の世帯が数年後に抜けます。そうなればいまとは違う新たなサービスに転換することも可能です。そうなれば、また違った展開が期待されそうです。
理美容店の主流である理髪料とカット代の衰退が見込まれるなか、次代の成長を担える可能性のある他の理美容サービスに取り組む必要があるのを教えてくれた家計調査でした。
以上引用。
この記事に対して私は以下のツイートをしました。
基礎的支出品目にパーマが入っているのは昔の名残なのでしょうね。もはや時代に合わないのは明白。サービス自体よりも提供する人にかかっているのでは?#美容室 #理容室
— arusara (@arusara_jp) February 12, 2021
他の理美容代に次代の主力サービスがあるhttps://t.co/dIlY9RZW0A
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