美容消費係数が緩やかに増加しているらしい
首都圏の1都3県に発令している新型コロナウイルスの緊急事態宣言ですが、3月7日の期限を2週間程度延長するようです。当初の2月7日からの延長からの再延長。野村総研の試算によれば、緊急事態宣言が2週間延長された場合、7000億円の経済損失が生じ、GDPが年率で0.1%押し下げられるとのこと。
人気ブログランキングに参加しています。
応援クリックお願いします。
更には、失業者が3万人増えるとの試算も出ているようで、去年4月の宣言の時よりも「企業の倒産、廃業を誘発し、失業者の数を増加させるリスクが大きい」と分析しているようです。
今年に入ってから早々に緊急事態宣言が出されて、今年の1月~3月期の経済指標がある意味で見ものです。洒落にならないでしょうけれど。
ということで、昨年10月~12月期の美容関係の指標はどうなっていたのでしょうか?
ホットペッパービューティーアカデミーによる調査報告が出ていたので取り上げてみたいと思います。
『理美容サービスへの支出 緩やかに増加 美容消費係数』
2020年10月~2020年12月期
ホットペッパービューティーアカデミーは、総務省の家計調査を独自に集計した美容消費係数(2020年10月~2020年12月)を2021年3月1日発表。今期は2.78%で、前年同期比+0.10%、前期比-0.12%だった。
美容消費係数は、消費支出に対する理美容サービス、美容用品支出の割合を指数化したもの。理髪料やパーマネント代、カット代などの理美容サービスの支出金額は2702円で、前年比-144円、前期比;48円で、コロナ禍のなかでも緩やかな増加を継続した。
以上引用。
参考までに、ホットペッパービューティーアカデミーによる調査報告記事は以下になります。
『2020年10月~2020年12月 美容消費係数』
調査報告を読み解くにあたって、私の知らない言葉がありましたのでここで整理しておきます。
美容消費係数とは?
※美容消費係数とは、ホットペッパービューティーアカデミーが独自に算出した『世帯消費における美容消費の割合(総務省 家計調査)』のことを言います。
理美容サービスとは?
入浴・理容・美容に対するサービスに関するもの(理髪料、パーマネント代、カット代など)
理美容用品とは?
衛生・理容・美容に対する商品に関するもの(せっけん・シャンプー・化粧品などの消耗品に加え、ドライヤーやヘアブラシなどの用品も含む)
グラフやデータで大切なのは、“どう読み解くか”だと思います。
数字だけでは何とも言い難いし、上がった下がっただけになってしまいます。
さて、2019年10月に何があったかと言えば、消費税率が10%に引きあげられました。
あくまでも美容の“消費”に関するデータなので、消費税率の変化を考慮に入れなければ話になりません。
ということで、まずは理美容サービスについて。
前年比がマイナス144円となっています。消費税増税後よりも2020年10月~12月期が悪かったということになります。
消費税増税以上にコロナによって理美容室への客足が鈍っている方が影響が大きかったのでしょう。
前期比はプラス48円ですが、これは所謂理美容業界の年末効果なのではないでしょうか。
次に、理美容用品について。
こちらは前年比および前期比どちらもプラスとなっています。
前年比プラスが意外な感じがしますが、それだけ自宅でのケアが目立つのだろうと思います。
毛髪のケアもあるでしょうが、ホームカラーの伸びがかなりありそうな気がします。昨年は、ホームカラーをされた方が非常に多いのではないでしょうかね。
外出自粛要請による「おうち時間」が増えたので、理美容用品に限らずですが、需要が伸びるのは自然な流れと言えるでしょう。
当ブログで取り上げたばかりでしたが、ドン・キホーテの「セルフ酸熱トリートメント」薬剤、セルフブリーチ用のボンドブリーチ、といったものもコロナがある意味では追い風となって自宅で試す人も増えるかもしれません。
まあ、その2商品はコロナだから販売したというよりは、以前からある美容業界アルアルの「美容室でそこそこ流行したものは大体が一般市場に投入される」の流れで売られているように思います。
コロナ以前、コロナ以降の前に消費を語るならば消費税増税の影響を考慮に入れなければなりません。
2019年には10%、2014年には8%、1997年には5%に消費税率は引き上げられています。そして、3%導入が1989年。
一年前と比べるのかそれとも5年前なのか10年前なのか。
それでいくとホットペッパービューティーアカデミーによる調査報告記事では数字の10年推移が載っていたので、その点は私の中では高評価でした。
とはいえ、首都圏1都3県の緊急事態宣言再延長により、今年も昨年同様に消費の低迷は避けられないようです。
中室牧子・津川友介
「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法
人気ブログランキングに参加しています。
応援クリックお願いします。
【関連記事】
「データは分析して読み解く」
「内容が読めることが重要」
「ビックデータに潜むバイアス」
コメント