美容室の70%が個人経営
全国に25万軒以上存在する美容室の“形態”を眺めてみると、「デザイン系美容室」と「メンテナンス系美容室」に、大きく二つに大別できると思います。二つとも同じ美容師の資格がもちろん必要なのですが、それぞれに求めらるスキルが異なることを3月4日のエントリー「どの形態の美容室で働くかで求めらるスキルが変わる」で取り上げてみました。
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メンテナンス系美容室というのは、カット専門店、ヘアカラー専門店、メンテナンスサロン、低料金大型チェーン店と考えてもらって差し支えありません。
私は、上記以外をデザイン系美容室と“敢えて”呼んでいます。
美容室の形態もさることながら、経営はどうなっているのでしょうか?ということで以下をどうぞ。
『理容業美容業は個人経営が7割以上』
令和元年経済センサス‐基礎調査にみる理容美容業界
理容業美容業は小規模事業者が多く、理容業は77%、美容業は70%が個人経営になる。全産業では個人経営が16%にとどまっている。
規模の大小は売上(収入)にも影響し、数字を見ると、全産業比べかなり見劣りしている。しかし、理容業美容業は原材料費や仕入れ費が少ないのを考慮して判断する必要がある。
売上(収入)は個人経営でも見劣りするが、会社経営はさらに見劣るする。労働集約的な産業なので、他の多くの産業が規模のメリットがいかせるのに対し、理容業美容業は、スケールメリットがいかしにくい業態だからだ。その結果、個人経営が増えることになる。
また、業務の内容がほとんど変わらない理容業と美容業だが、両業では美容業のほうがやや規模が大きく、売上(収入)も多い。
以上引用。
記事では、「美容業は70%が個人経営」とあります。
私の会社の取引先である美容室もその多くが個人経営美容室になります。約2割程度が会社組織といったところでしょうか。
美容室全体の総売上が1兆5000億円程度だと言われています。
数字だけ見ると確かにスゴイことになっているのですが、実際には、割ることの25万軒です。となると一店舗当たりの売上がいかに小さいかが分かると思います。
もっと言えば、割ることの数字は一店舗当たりであってあくまでも一人当たり技術者の売上ではありません。
いつも書いていることですが、美容室の流行は技術の安売りなので、それはつまり来店客数に頼るしか売上を上げる方法はありません。
メンテナンス系美容室は、数の論理で売上確保を狙っているのでしょう。
美容師の仕事は、間違いなくこれからも人がやる仕事なので生産性は上がりにくいわけです。
となると当然、技術売上を低く設定するのは得策ではありません。
がしかし、それをやってしまっているのがメンテナンス系美容室。
お客の立場を考えると、同じ技術であれば安い方に流れるのが当然です。
昨年、女性の2人に1人が50歳以上となりました。
白髪染めの需要は益々高まると思うのですが、一方で悩みとなるのが毎月来店することであり、時間の確保であり、そしてお金の確保となります。
白髪染めをしないという選択もあるかもしれませんが、その選択を取れるのは一部の女性なのではないでしょうか?
多くは、白髪染めを行うと思います。
お金の面だけを考えるとメンテナンス系美容室に移行する女性は、今後益々多くなるでしょう。
メンテナンス系美容室の多くは、会社組織のはずです!?
個人経営美容室でメンテナンス系美容室の価格帯を打ち出すのは無理なはずです。出来るとすれば、固定費の掛からないところぐらいではないでしょうか。
技術料金の低料金化はこれからも続き、しかもコロナとくれば消費は低迷したままで、自ずと多くの美容室利用者が技術料金で来店先を選ぶ確率は上がっていくことになり、そうなると「70%の個人経営美容室」は、今後厳しい戦いを求められることになりそうです。
落合陽一「働き方5.0~これからの世界をつくる仲間たちへ~」
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