緩やかに確実に人口減少が進んでいる現実


コロナ禍によって感染防止のために人と人との接触を減らすことが「ニューノーマル(新しい生活様式)」となり、消費が大きく消失しました。直近で言うと、2021年1月の実質消費が、対前年比-6.1%。マイナス幅が事前予測(-2.1%)を大きく上回りました。ちなみに、2000年以降で、実質消費が最悪だったのが、昨年の5月で、今年の1月は、昨年の緊急事態宣言時に迫るほどに実質消費が落ち込んでしまったということになります。

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実質消費支出、1月は前年比-6.1% 緊急事態で半年ぶり減少幅


但し、私が思うにコロナ禍では、本来消費されるべき消費がなされていない面も多々あると思います

実際に所得の減少にともない消費を確実に減らさざるを得ない方々もおられるでしょうが、それでもまだまだ多くは、この先の事を考えて消費に消極的なのではないでしょうか。


何を言いたいのかと言えば、今回の消費の消失は人口減少によるものではないということ。

今後の危機的状況と呼べるのがコロナではなく、人口減少にあるというのは以前から指摘されている通りです。

消費者、即ち「売る相手」が大きく減るのが人口減少


では、人口減少の代表的な事例を河合雅司さんの「未来を見る力(人口減少に負けない思考法)」より引用してみます。





2040年の日本のすがた

●マーケットが大きく縮む

総人口が1億2617万人から1億1092万人へ(1525万人減少)
九州・沖縄・山口(1561万人)の規模の消費者の消失と同等



●マーケットの3分の1は高齢者

日本の総人口に65歳以上の占める割合が35.3%
3589万人から3921万人へ(332万人増加)



●人手不足が拡大

20~64歳人口が6925万人から5543万人へ(1382万人減少)
東京都(1392万人)と同規模の働き手世代がいなくなる




というように、緩やかに、でも確実に人口減少が進んでおり、人口減少少子高齢長寿命化によって社会の形が変わらざるを得ない状況となっていくのです。


といことで以下の記事をどうぞ。


理美容施設数 対 人口 半世紀で18%減

理容店と美容室の施設数の50年、半世紀の推移をみると、50年前の1971年は美容室は11万6021、理容店は14万1082で、理容店のほうが多かったのですが、1979年に逆転します。以降、美容室は増え続け、理容店は1987年をピークに緩やかに減る傾向が続いています。

理容店と美容室を合わせた施設数を当時の日本の総人口比でみると、50年前は1施設当り416人ほどだったものが、2020年は340人と76人(18%)減っています。半世紀で18%減。
経営を左右する要素は人口だけではありません。利用率、利用頻度、単価などの要素が重要ですが、人口はそれらの元になる数値です。1施設あたりの人口数が多ければ多いほど、有利になります。

半世紀で18%減、意外に減り方が少ないようにも思えますが、すでに少子化の時代に突入しています。理美容施設がいつまでも増え続けるというわけにはいきません。どこかの時点で減少に転ずるはずですが、いまの増え方をみていると、いつになるか見当もつきません。


以上引用。



コロナ以前より「来店サイクルの長期化」は、美容室の課題の一つでありました。

しかしながら、その課題の前提となるは人口の多さです。人口に支えられた消費であるからこそ技術の安売りが成立するだけです。

技術を安く提供しても来店サイクルを短期化することが出来れば良かったのですが、今後は、一店舗当たりの顧客数が確実に減少していきます。

だからと言って、周りを見渡したときに美容技術料金の低価格化が当たり前となるなか、単価を上げることが出来る美容室がどれだけいるのでしょうか?


だからこそ、かなりショートカットして言うと、わざわざ行く価値のある店舗にする努力が必要であり、更には、価値のある店舗にするのは、そこで働く人に価値があるということ

そして、前日のエントリーではありませんが、お店を「知らせる努力」が必要となるのです。


人口の統計データは、あまり大きく外れることがないそうです。

2040年には、まだ時間はあります。かと言ってそんなに余裕をかましているヒマもありません。

今後も美容室を続けるのならば、ヤルベキ事を整理して、それを確実に消化していくしかないのだと思います。





エマニュエル・トッド「大分断 教育がもたらす新たな階級化社会」





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