訪問美容の需要が高まるというが
多分、2008年頃だったと思いますが、理美容福祉介護、訪問美容、出張美容、そして、ホームヘルパー等の需要が、美容業界でも高まるだろうという話を当時うちの会社でもよくしていました。もちろんこれは、所謂少子高齢化という日本の人口動態を見れば誰でも出来る簡単な予測によるものです。
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当時の事を思い出すと、実際に民間の資格を取得して、理美容福祉に取り組まれる方もいました。しかし、殆どが、ただ資格を取得しただけの方ばかりでした。
その中でも、自宅に伺うという出張美容ではなく、病院、介護施設を対象に訪問美容する方もちらほらと見られました。ただ、こちらにしても訪問美容というのは、それ以前からやっている理美容室も多いというのが実情でした。
あえて問題点であると書きますが、以前からある訪問美容の問題点は、適正な技術料金ではなく、よくて半額、その殆どが無償サービスになっていた、というところだと思います。
で、5年程前から美容組合でも理美容福祉介護のニーズに応えるべく講習会を開催していたようです。
しかしながら、講習会とは名ばかりで、実際には、営業先である病院、介護施設が用意されているのではなく、ただ講習会では「訪問美容をやるなら○○が必要だよ」的な内容に終始していたようです(当時の参加者から聞きました)。
最近では、コロナも相まって更に訪問美容のニーズが高まるような雰囲気を醸し出しつつ組合関係に限らず講習会が開催されているようです。
まあ、昔からの美容業界のアルアルですが、講習会が開催されるのは、勉強のため、能力習得のためではなく、講習会自体が儲かるからです。
それが今は、コロナ対応経営、訪問美容に関する講習会と言ったところでしょうか?
さて、うちのお客さんの中にも訪問美容に取り組まれている方が数名おられるのですが、先日、その中の一人から、ホームヘルパーは廃止されており、現在それに当たるのが「介護職員初任者研修」だということを聞いて驚きました。
ちなみに「介護職員初任者研修」とは、介護職として必要なスタートラインの資格で、かつてのホームヘルパー2級(ヘルパー2級は2013年に廃止)に相当するもので、もっとも取得しやすい介護の民間資格とされています。ホームヘルパー(訪問介護員)は、最低限この資格がないとできません。
コロナの影響で病院、介護施設への出入りが制限されており、訪問美容は厳しい局面を向かえています。あくまでも私の周りだけでしょうが、現在では、制限は解除されており以前と変わることなく訪問美容に取り組めているようです。
また、少し前から度々美容室から聞くようになったのが、病院や介護施設への訪問美容ではなく、顧客の高齢化に伴い来店ができなくなり、自宅へ伺うようになった(出張美容)、というものもあります。
人口構造の変化により、美容室が提供するサービス自体に変化はありませんが、サービスを受ける側の変化が顕在化しているわけです。
ということで以下の記事をどうぞ。
『人口動態と密な関係にある理美容業』
理美容業など生活関連サービス業は、人口動態と密接な関係があります。
人が多くいるところには多くの店舗が、少ないところはそれなりの店しか営業できないのが普通です。人の数に見合った店舗しか営業できないのは、需要と供給の原則のとおりです。
理美容業の場合は、幸い原材料費や初期投資が比較的低いので、一日数人の来客があれば事業継続が可能です。自宅併設店の一人営業なら固定費は安く、原材料費はそれほどかかりません。こんな事情から理美容店は増え続けているのだと思います。
同じようなことが人口の年齢構成比の動態にもいえます。少子高齢化の到来がいわれて久しいですが、これからもさらに少子高齢化が進みます。
(中略)
高齢者は増え、若年層は減ります。
高齢者を対象にした訪問理美容や福祉理美容に対応している理美容店はすでに多くありますが、今後さらに需要は高まるのは間違いありません。
以上引用。
記事内容そのままだとは思いますが、記事最後の「需要が高まる」という表現がなされるときは、既に先行者が市場を独占しているものです。
訪問美容の可能性を否定しませんが、私からすれば「高齢者にとっての美容室を再定義する」ことをお勧めします。
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